ガロティン
フラメンコ曲種解説

フラメンコガイド > フラメンコ曲種解説:ガロティン

GARROTÍN ガロティン

フラメンコ曲種解説をご紹介します。

名前の由来と歴史

ガロティンは、アンダルシアを発祥の地としないフラメンコ曲種のひとつである。起源もあまり明確ではない。仮説では、アストリアからカタルーニャまでのスペインの様々な地点がこの曲種の発祥とされている。おそらく、アストリアの歌がアンダルシアに入り、明朗さと活発さを得ながらフラメンコ風になったとされる。その歌はアストリアの民謡をフラメンコ風に仕上げたラ・ニーニャ・デ・ロス・ペイネスが創始者であるといわれる。また、他説では、ガロティンはタンゴ・デル・カミノ(グラナダ)と幅広い関係を示す。この説では、19世紀から20世紀の間にサンブラス・デル・サクロモンテのジプシー達から生まれたと言われている。現代的スタイルでガロティンの踊りを流行らせたのは、偉大な舞踊家ファイコ(本名フランシスコ・メンドサ・リオス)であると言える。彼は20世紀初めにギターの巨匠ラモン・モントーヤと組んで、ガロティンを踊り始めた。
特色

ガロティンの歌は、官能的な視線で情熱と女らしさに詰まった踊りと反して、遊戯的で滑稽な要素をフラメンコにもたらした。ガロティンは口説き歌のひとつで、歌詞は鋭くて楽しいものであり、リズミカルに溢れた陽気な曲である。 ガロティンは歌い手自身の歌詞をつける方法で、形を仕上げて行った。
音楽形式

長調で歌われるリズムはタンゴ系の2拍子であるが、踊りのカウントとしては4拍子と数え、1拍および3拍目に強いアクセントをうつ方がわかりやすい。ギターの演奏ではハ長調によるサビカスの名曲がある。歌の伴奏ではト長調・イ長調で弾かれる。
歌の形式

歌詞は、8音節の4行詩で、1行目と3行目が、そして2行目と4行目が韻を踏んでいる。
レトラ紹介

Ya no cantan los ingleses,
los chinos y los japoneses,
ya no canta ni el sultán.
英国人も中国人も
日本人も、もう歌わない。
王様だってもう歌わない。