ソレア
フラメンコ曲種解説

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SOLEÁ ソレア

フラメンコ曲種解説をご紹介します。

名前の由来と歴史

名前の由来は孤独(SOLEDAD/ソレダッ)を思わせるが、その語源を巡ってはいろいろ説が唱えられており、長年に渡って使われてきたソレア、ソレアル、ソレアレスの呼び名は、その優美な歌唱で知られた女性の名前“ソレダッ”に由来されているのが本筋とされている。実際ソレアという言葉が文献に初めて登場したのは1862年である。
ソレアは人生のあらゆる状況を情念を込め、孤独の真髄を歌い上げる。その歌詞はゆっくりと荘厳な強調が特徴で、もの悲しく憂いに満ちている。それらはさらに地理、唱法により細かく分類されている。ソレアの曲は歌い手の感情が全てを決定づけるものとして典型的であるが、地理的条件からなる特徴も有し、アンダルシア地域(カディス、セビージャ、コルドバ)に独自のソレアを生み出している。19世紀の後半から20世紀の前半にかけてソレアは踊りを離れていろいろなスタイルのカンテが生まれ大発展をとげた。それはカフェ・カンタンテ・ブームとも時期を同じくしている。中でもソレア・デ・トゥリアナは最も古いものであり、歌い手エル・フィージョの愛人、ラ・アンドンダが最初に歌ったとされている。彼女は激しい感情をソレアに歌い込み、それはトゥリアナ中で最も威厳のある歌声であったと伝えらた。その他のスタイルとしてはソレア・デ・アルカラやソレア・デ・ウトレラ等が生まれた。
特色

ソレアはカンテの真の柱と定義づけられ、それはカンテ・ホンドの完全なる均衡であるとされている。深い悲しみと鬱積した嗚咽、その表現においてソレアの右に出るものはない。また、ソレアはカンタオールの限界を知らしめる曲として、フラメンコの全ての要素を含んでいる。
音楽形式

ミ(またはラ)を主音とするナチュラル旋法。1コンパスを12拍子として3拍子と2拍子の混合リズム < 1・2・3・1・2・3・1・2・1・2・1・2 > として考えられるが、カウントは < 1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・1・2 > と数える。終りの拍が10拍目となる。古いスタイルほどテンポが速く
歌の形式

一般的にソレアは8音節3行連句の類音韻で成り立っているソレア・コルタと, 8音節4行連句で構成されているソレア・ラルガ(グランデ)と呼ばれるものもある。
レトラ紹介

Tú dices que no me quieres
pena no tengo ninguna
porque yo con tu querer
no tenía hecha escritura.
俺を嫌いだとお前は言う、
だが俺には一向に苦にならぬ、
お前との恋に証文なんか
書いちゃいないから。