カーニャ
フラメンコ曲種解説

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CAÑA カーニャ

フラメンコ曲種解説をご紹介します。

名前の由来と歴史

カーニャは原始のソレアの血を引き継いでいると指摘される。しかし厳格さを供え付けた起源は定かでない。アンダルシアでカーニャと呼ばれるワイングラスに敬意を表して、バルで歌う古い習慣により、カーニャと名付けられたとも言われている。地理的起源はロンダ山岳がカーニャの発祥地とされ、アラブのモーロ人の影響を得ているとされている。ロンダ山岳からマラガの地域、そして他のアンダルシア地域にまで広がったフラメンコ創造の風潮があったに違いないとされている。カーニャは、19世紀の間、全盛期に恵まれた。カフェ・カンタンテとして人気を得たシルベオ・フランコネッティが好んでこの曲をレパートリーの中に入れた。20世紀初めには衰退が始まり、偉大なカーニャの歌い手アントニオ・チャコンが死去した後は、ほとんど消え去ってしまった。しかしながら、この曲種の復活に貢献したのは1919年に開かれたグラナダのカンテ・ホンド国際コンテストであった。
このコンテストでディエゴ・ベルムーデス“エル・テナーサス”は、カーニャ及びソレアとポロを統合した第2部門で優勝した。最初のレコード録音に収められたディエゴ・ベルムーデスのカーニャは、現在のものより生き生きとして、速いコンパスで歌われ、この曲種の起源を知る貴重なものとなっている。
特色

カーニャの歌は、ゆっくりとした雰囲気を持っているため、踊りの場合ソレアに類似するもの、実際はシギリージャの踊りに近いものがあり、マントンを用いて奥深い優雅さで踊られる。昔は踊れられなかったこの曲が、天才舞踊家カルメン・アマジャがこの曲をレパートリーに創り出した。今日ではカーニャは優れた踊り手の重要レパートリーとなっている。
音楽形式

ミを主音とするナチュラル旋法。
コンパスはソレアと同じであるがもっとゆっくりである。カウントは < 1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・1・2 > と数え、ジャマダの終りは10拍目となる。
歌の形式

カーニャのレトラは2行目と4行目が韻をふんだ、8音節の4行詩が基本の詩形である。この曲の歌の大きな特色として、はっきりとした音階を上下に呪文のように繰り返すリフレーン(イー・イー・イー・イーイ)が詩形の途中と終りに入る。
レトラ紹介

Caña dulce, de mi dulce caña,
Que tarde o nunca las pierde
El que tuvo malas mañas.
いとしのカーニャ、私のいとしいカーニャ
悪い手癖を持った男は
いつまでも、おそらく一生変わらない。