タンゴ
フラメンコ曲種解説

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TANGO タンゴ

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名前の由来と歴史

ジプシー・カンテの中で最も古く基本的な形式のひとつとみなされているが、その起源は不明である。アルゼンチンなどの南米のタンゴと内容は異なる。タンゴは14世紀末にハバナからカディスあたりに伝わったとされ、後にジプシー風に変えられていった。また、タンゴの起源が、リズム的に類似性をもついくつかの北アフリカの舞踊と関連があるという仮説もある。
タンゴはカディス、トリアーナ、ヘレス達の歌い手たちによって発展してきた。カディスのゆっくりしたタンゴがティエントスに変わり、マラガではエル・ピジョジャによってタンゴ・デ・マラガと呼ばれる短調のタンゴが創られ、現在も舞踊レパートリーとして人気を得ている。タンゴの直接の子孫はタンギージョ、ティエントス、ファルーカ、ガロティン、マリアーナス、タンゴ・デ・マラガ等である。
特色

タンゴ、カンティーニャス、ブレリアは、カンテ・フェステロのなかで、3大グループとして代表される。タンゴは主に4種類あり、カディスのタンゴ、セビージャのタンゴ、ヘレスのタンゴ、そしてマラガのタンゴである。これらの他に、ゆっくりとしてはいるが、フラメンコタンゴの韻律やコンパスに似た、ハレオの中に見られるものと同一のエストレマドゥーラのタンゴもある。力強さ、たくましさは、タンゴに欠かせない2つの要素である。
2拍子の強いアクセントを持つタンゴの曲想は、リズミカルな中に直接的な重みの有る深さを持ち、心を掻き立てる。古くは踊られることのない曲だったが、こんにち舞踊でもかけがえのないレパートリーとして人気が高い。また、多くの歌い手もこの曲をモチーフにしている。
音楽形式

ミ(またはラ)を主音とするナチュラル旋法。1コンパスを2拍子 ×2 小節とし、2拍子の強いアクセントを持つ。踊りではこのカウントを4拍子としてとり < 1・2・3・4 / 1・2・3・4 > として数える方が一般的である。
歌の形式

ソレア同様8音節3行又は 8音節4行で詩が構成されている。
レトラ紹介

De Barcelona a Valencia,
de Valencia pa’ Sevilla,
está *arregla la gitana
cantando por siguiriyas.
Y al gurugu, al gurugu.
バルセロナからバレンシアへ、
バレンシアからセビリヤへ、
ヒターナはがっかりしながら旅をする、
シギリージャスを歌いながら、
アル・グルグー、アル・グルグーと。
*arregla = arreglada