ファルーカ
フラメンコ曲種解説

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FARRUCA ファルーカ

フラメンコ曲種解説をご紹介します。

名前の由来と歴史

ファルーカの創始者はフランシスコ・メンドサ・リオス“ファイーコ”とされている。彼がガリシアの伝統的な詩集からコプラ(短詩)を引用しフラメンコ風にしてファルーカが出来上がったとされる。このトリアーナのジプシー舞踊家である彼が、ギターの巨匠ラモン・モントヤと協力し、ふたつの新しい踊りを生み出した。それが、ファルーカとガロティンである。同時に、アンダルシアの人々はガリシアから仕事を求めてアンダルシアにやって来た移住者達に対して、“ファルーコ”の名前で呼び知られるようになった。ファルーカの起源を示す特色として、いくつかの歌はガリシアの夜明けの歌で終わる。ファルーカの創案はタンゴから派生されたもので独自のものではない。1920年頃から、オペラ・フラメンカと呼ばれるものが広まり、フラメンコはより劇場向きに創作されるようになった。オペラ風でしかもショー的要素のある舞台が好まれるようになり、これらのフラメンコはカフェ・カンタンテの場から劇場へと取って代り、歌もカンテ・グランデの曲種からサンブラス、ガロティンやファルーカなどの軽い歌の種類に移り変わった。カフェ・カンタンテはすたれ、オペラ・フラメンカは、カンテ・フラメンコに並外れた人気を授け、新しい局面としての大衆出物のフラメンコはレコード界や映画界においても一転した。劇場でのファイーコの踊りはバルセロナやマドリッド、ロンドン、パリ、ロシアにおいて圧倒的な成功をおさめ、ファイーコは国際的人気舞踊手となった。この時代に流行った軽い曲種のファルーカをマヌエル・トーレ、ガロティンをエル・ニーニョ・メデーナそしてニーニョ・デ・ラス・マリアーナスは芸名が表すようにマリアーナスを歌いこれらの曲を披露して周った。
特色

今日ファルーカは歌よりもギターソロと踊りが持続している。その踊りは、エレガントで美しさと柔軟性を持つと同時に奥ゆきと力強いアイレを調和させ、男性舞踊手によって多く踊られている。
音楽形式

タンゴと同じように、ファルーカはアクセントのはっきりした2拍子で1コンパスを2小節としている。ギター演奏ではイ短調又はホ・ニ短調で弾かれている。
歌の形式

一般的に、コプラは第2行目と第4行目が韻を踏んだ8音節の4行詩で構成されている。歌詞は故郷から遠く離れた移民者達が味わった、恋愛、失恋や死の局面での痛みや、不運を付け加えている。
レトラ紹介

Aaaay una paloma
cayó una paloma
que le partieron las alas,
porque parece que convenía
que el vuelo no levantara.
あぁ、一羽の鳩が転落した
翼の折れた一羽の鳩が。
そいつは飛行の放棄を選んだのさ、きっと。